経済発展と賃金上昇

近年インドネシアでは急激な経済発展に伴い給与水準も上昇を続けています。インドネシアの最低賃金は、過去には有識者で最低限の生活を送る上で1ヶ月に必要な金額を決める適正生活必需額を参考とし毎年更新がされていましたが、2016年よりインフレ率と実質GDP成長率を基に算出し、さらに適正生活必需額も5年に1度の見直しをすることと改定がされました。この為、今後もインドネシアでは当面は毎年10％を超える最低賃金の上昇がおこるであろうと言われています。

※ジャカルタ特別州発表の資料より、PT.OS SELNAJAYA INDONESIAにて図を作成

しかしながら、高い経済成長率、2億4千万とも言われるインドネシアの人口からなる消費マーケットの大きさなどを考慮した時、インドネシアはその経済成長率、実質GDPに比べて人件費はまだまだ近隣アジアの主要国に対して強い競争力を持っていると言えます。

※日本貿易振興機構（JETRO）調査レポート <第25回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較>を基に、PT.OS SELNAJAYA INDONESIAにて図を作成

日本にはない諸手当

国の法律で宗教に属する事が決められているインドネシアでは宗教大祭手当（THR）と呼ばれる月額給与1か月分以上の手当てを支給する義務があります。その他にも慣習として食事手当、通勤補助手当、役職手当、技能手当などが一般的に支給されます。
公共交通機関の発展していないインドネシアでは、特に通勤補助手当として、工場まで自社の乗合バスを用意したり、マネージャー職以上には車を支給する会社があるなど、日本ではあまり馴染みのない手当が多くあります。

キャリア形成と役職にこだわるインドネシア人

日系企業の皆様がインドネシアで人材を探す場合に、特に戸惑ってしまうのが教育背景、文化背景の違いからなる仕事の仕方、キャリアの積み方の違いです。
一般的に一つの分野に特化してキャリアを積み上げていくという傾向が強い当地では、総合職採用という考え方に馴染みがありません。
また、転職を行なう事に比較的抵抗の少ないインドネシアでは、自身のキャリアを証明する為にポジションと職制に対するこだわりが強いと言われています。

人材採用の課題

時間と費用を掛け教育をした人材がすぐに転職をしてしまう事が頻繁に起こっており、各企業ともに、いかに従業員に長く働いてもらうか、いかに迅速に適切な人材を補填するかに悩まされています。
宗教に対する考え方や300以上あると言われている多民族国家ゆえの地域性や生活習慣なども日本とは大きく違う一面で、人材を採用する際にはこういった側面も考慮する必要があります。

※各プロセスにおいてインドネシアの労務・人材事情に精通した日本人担当者がアドバイスをします。
※当社で予め語学チェックや簡単な適正検査を行なっています。
※ご希望により健康診断、資格をもった専門家による詳細な適性検査を別途費用にて承ります。